「G→D→P→A→Ch」回路人材の育成を目指します

私の考えている人を育てるための考え方は、行動意識回路と行動パターンを持った課題設定解決型人材育成を目指します。

文末の図のような意識と行動パターンを理想としています。

 


それを実現するために以下のような流れが必要だと考えています。

「G」
ゴールイメージを示しています。行動を起こす場合には「ゴールイメージ」をできるだけ持って進むこと。

「D」
通常は、「PDCA」サイクルといわれていますが、私はまずは、行動を起こすことが大切だと思い「D」を「G」の次に持ってきました。

「P」

実際にやり始めてから本気になって計画を立てるという意味での「P(plan)」です。


「A」
「D」よりも本気で行動するアクションの「A(action)」。

「Ch」
「チェック」Checkの略。行動結果のチェックを行い、目標が達成されれば「Goal」で完結するが、さらに、リファインが必要なら次なる「G」に向かってスパイラルアップする。

 

「Co」

「自信」Confidenceの略。人間は、行動を起す場合、何らかの自信を持っていることが必要です。

究極の自信は「根拠のない自信」だと考えます。
これは、今までの仕事の中でとことん働いて、こんな辛い事は多分少ないであろうと言う気持ちが、これから起こるどんな仕事でもやっていけると理由のはっきりしない変な自信のことです。

そこまではできないとしても、自分が置かれている環境の中で例えば、仕事の現場で多くの小さな成功体験を積み上げていくことが重要だと考えます。その積み重ねた経験が次第に「根拠のない自信」へと繋がっていくと思っています。


「M」

「動機づけ」Motivationの略。「Co」があり「G」が持てれば「M」が高まることで「D」へと進むという流れ。

 

人を育てることの原点は、受講者に課題に気づかせ、自ら解決に向かうためのいろいろな材料を提供することだと考えます。例えば、成果物の到達点を示す/知識・技術の教授/ワーク(演習)/ロールプレイング/コンセンサストレーニングなどがあげられます。

 

また、講師の求められる能力は、受講者との人間関係構築のための専門知識とコミュニケーション力、気配り、ほめ育て、認めることだと考えます。

この「認める」ということは、相手の価値観を認めた上で人生の先輩として社会で認められることとそうでないことを明確に示すことだと考えます。

 

f:id:careeranalyzinglaboratory:20170620134403j:plain

百歳になっても脳は成長し続ける

前回のブログで「キャリアってどんな意味?」の最後に、「キャリアを広義の意味で捉え実現していくためには、人は生きている限り年齢や経験に応じて学び続けていくべきだと考えています。」と締めくくったところで、以前に読んだ本のことを思い出しました。

 

TVでもおなじみの脳科学茂木健一郎さんが書いた「感動する脳」の中に「百歳になっても脳は成長し続ける」という一節がありました。非常に興味深い内容だったので、ここで紹介させていただきます。少し長文になりますが最後までお付き合いください。

 

===========================
人はそれぞれが遺伝子(DNA)を持って生まれてきます。DNAというのはまさに人間の設計図のようなものであり、それに沿ったかたちで人は成長していくわけです。そこで多くの人は勘違いをしています。設計図には完成品が描かれているのだと。

自分には自分のDNAがすでにあるのだから、それに逆らっても仕方がない。いくらあがいたところで自分のDNAは変えられるものではないと。そんなふうに思い込んでいませんか。もしそう考えているとしたら、それは大きな間違いです。DNAには、完成品など書き込まれていません。

 

 実際に人間の脳というのは、生きている限り自発的に活動し続けます。そしてそれに伴って、神経細胞の結びつきというものも変化している。中高年になってから活動しなくなるというのは間違いです。よく「もう歳だから、若い頃のように頭が働かないよ」とか「脳細胞がどんどん消滅していくのだから、今から新しいことを始めるのはムリだよ」と言う人がいるでしょう。それは単に自分が努力をしていないだけ。生きる意欲がなくなってきているだけなのです。

 

我々は専門用語で「オープン・エンド」(open-ended)と言いますが、脳はいつまで経っても完成を迎えることのない、まさに青天井の構造をしているのです。なのに自分は天井を勝手に決めてしまうのは勿体ないことです。

 

 人間の寿命はせいぜい百年くらいのものです。どんな頑強な人間でも、百年もすれば死んでしまいます。ならば百歳で死を迎える時に脳は完成してるのかと言うと、実はまだまだ発展途上に過ぎない。もしも人間が二百年も三百年も生きられたとしたなら、脳は三百年間も変化し続けることになります。

 

 つまり人生というのは、実は永遠に完成することのない、終着点のない旅だとも言えるでしょう。生きている限りにおいて、脳は何百年間でも変化し続けている。従って人間の脳というのは、非常に残念なことに、どこまで行けるかというその限界を見ないうちに寿命を迎えてしまう運命にあるのです。

 

―――中略―――

 

 六十歳になり定年を迎えた人たちの多くは、「もう後は静かに送るだけだ」「この年からは何も新しいことは始められない」と考えています。ちょっと待ってください。あなたは定年になったかもしれませんが、あなたの脳は定年などなっていません。第一、脳に余生などという言葉はない。生きている限り変化しているのですから、脳は余生を楽しんでいる暇などないのです。
 
もしもあなたが年を取ったからと家に引きもこっていたなら、脳を使うことなく無為な日々を送っていたとしたなら、それはとんでもなく勿体ないことなのです。せっかくの限界のない脳を与えられているのですから、大いに働かせないと損だと思いませんか。

 

 年老いたから脳が働かないなどというのはウソです。年をとったからこそ活動を始める部分も必ずあります。死を迎える直前まで脳を目一杯使ってみる。何と幸福なことだろうと私は思うのです。

 

引用:「感動する脳」茂木健一郎
===========================

どうですか?
人間の脳ってすごいですね。
歳を重ねても、常に前向きでありたい、キャリアアップしていきたいと改めて思った次第です。

「モチベーション」とは

モチベーションとは、一般的に「やる気」という意味でつかわれますが、本来は、人間の持つ欲求や動機を行動に結びつけるための「動機付け」を意味します。
つまり、モチベーションは、欲求と行動の中間概念であり、欲求を喚起し行動にいたらせる「引きがね」の役割をしています。

モチベーションは、動因(個人の能力や性格)と誘因(環境から与えられる刺激など)の関係で決まります。つまり、前者は、その時々の状況において満足する結果が得られるかどうかの「期待(見込み、主観的確率)」です。後者は、満足した過去の経験累積によって培われた主観的な「価値」です。
モチベーションは、期待と価値の関係によって決まるのです。人間は、価値あることに期待が持てれば「動機付く」のです(「人と組織のマネジメント」羽石寛寿 著)。それを示したのが以下の図です。

人間は、行動を起こすためには、過去の経験値にもとづく価値観とうまくいくだろうといった「期待感」があってはじめて行動に移すことができるということです。

部下に仕事を依頼するにしても、やはりいろいろな小さな成功体験を積ませ、今までにやったことがないことでもできるであろうという「根拠のない期待感や自信」を持てるように支援することが、今の若者を育てていくためには必要なのではないでしょうか。

 

 

f:id:careeranalyzinglaboratory:20170620131632j:plain

「キャリア」ってどんな意味?

キャリアのご語源は、ラテン語のCarraria(馬車などの乗り物の通り道=轍-わだち-)だそうだ。
そこからそ「経歴」とかという意味に転じていったものだと言われています。

最近では、解釈や意味づけが多岐に分かれています。それぞれの立場や用いられる場面などが多様になり、また、時代の変遷とともに変化してきています。

キャリアの一般的な捉え方は「職業、職務、職位、履歴、進路」を示し、経歴や昇進、昇格なども含まれています。
文部科学省の「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書~児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために~」によると「キャリア」を「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係づけや価値づけの累積である」と定義しています。

つまり、「キャリア」の概念は、「個人」と「働くこと」が基礎となり、「働くこと」は、通常の仕事以外にもボランティア活動や趣味などの活動を幅広くとらえる必要があるといえます。

このように、キャリアを広義の意味で捉え実現していくためには、人は生きている限り年齢や経験に応じて学び続けていくべきだと考えています。

これからもみなさんとの一期一会を大切にして、学び続けていきたいと思っています。

f:id:careeranalyzinglaboratory:20170609160745j:plain

「学ぶ」ということ

「学ぶ」の本来の意味は、「真似ぶ」(まねる)ということに由来しているといわれています。

実は「まねる」にも2種類あるそうです。
「結果まね」と「原因まね」です。「結果まね」は、表面だけを見てまねることです。例えば、生徒が答えだけを覚えてその問題の解き方まで考えないことなどがそれに当たります。

「原因まで」は、手本をベースに本質が何かを考え、創意工夫をこらすことです。先ほどの例でいうなら生徒がその問題の解き方を学んで、同じような問題なら例題が変わっても解けるといった具合です。

そのような学習法を「経験学習」と呼んでいます。
PDCA(plan-do-check-action)サイクルを自律的に回すことを継続的に繰り返し実践することで「学び方を学ぶ」を体得することだといえます。

これから時代、自分の頭で考え問題を解決するには、いろいろな失敗を経験し、その中でその失敗を二度と起こさないための知恵を身に付けることだと考えます。
つまり、自分で気づき考え行動するといった主体性を身に付けることが「学ぶ」場合の基本的な姿勢であるといえます。

今一度、「学ぶ(真似ぶ)」ということを考えながら、部下に接するのもいいかもしれませんね。

以前大学1年生の授業で、学生の質問に対して返答した内容について、それを聞いたある学生からの返答です。

===================
<学生からの質問>「先輩たちの就職状況などの情報を教えて欲しい」
<学生への返答>「1年生から就職部に顔を出してみるのも、自分の将来を考えるためには役立つよ」
「自分の目と足で確かめることが大切なんだよ」と

さらに、その返答に対してある受講生から次のような意見が寄せられました。
<学生の意見>「就職部に行ってください。というのは失礼だ(詳しく教えるべきだ)。」
===================
といった内容のものでした。


この学生の思考回路に違和感を感じるのは、私だけでしょうか。

 

 

 

「キャリア・アナライジング・コンサルタント(Career analyzing consultant)」とは

これからやろうとする仕事がどのような特徴あるサービスを提供できるかをスタッフみんなで考えた時にまず、名刺に表示する「肩書」を考えることにしました。

 

「名は体を表す」といいう故事もあるように、その人の名前はその物や人の性質や実体をよく表すものだということです。

 

今まで大学を中心とした教育分野で学生の個人属性(気持ちの有り様や行動特性など)について研究を進め学生のキャリア支援に役立ててきました。これらの経験を活かしてもっと幅広く社会に貢献したいと考え、「キャリア・アナライジング・コンサルタント」という肩書を創造しました。

 

このアナライズ(analyze)の主な単語の意味は、「分析する、分解する、(…を)分析的に検討する」といったことを表します。
つまり、調査で集めたデータを分析的に検討し物事の特性をみきわめていくということを意味します。

 

では、「アナライジング」という言葉をあえて使った理由は何かというと、収集したデータを統計的に数値化し、比較検討することで、より客観的な判断や分析が可能となり、的確なカウンセリングやコンサルタントができるような仕事がしたいという願いからです。

そのようなキャリアコンサルタントを通じて就活をする若年者の就職活動支援、そして、中小の企業の効率的な採用や従業員の適材適所化を図ることで、業務改善を推し進めるためのコンサルテーション等を実現してきたいという想いを込めて「キャリア・アナライジング・コンサルタント」を肩書きとしました。

 

できれば、この様な想いに賛同いただけるみなさんと一緒に、幸福なキャリア設計のお手伝いができることを願ってやみません。

これからも、みなさまからのアドバイスなどいただけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

「自分自身を振り返る」

先月で摂南大学経営学部のキャリア形成科目の専任講師の3年間が期間満了となりました。
案外時間があると高を括っていましたが、今思えば「光陰矢のごとし」とはよく言ったものです。

さて、4月をむかえ大学の方は非常勤講師に戻りました。

 

これまでの大学等でのキャリア教育の実績を振り返り自分の強みは何だろうかと考えてみたところ、大学生がそのモチベーションを高め、キャリアについて主体的に考え行動できる人材に

 

育てるかをテーマとしてきました。結局のところ、社会から求められる人材の育成です。
ただ、座学が中心の授業だけでは、学生自身に気づきが与えられないと常日頃思っており、インターンシップやPBL(Project-Based Learning)、アクティブラーニング行って参りました。

 

今まで教育関係の仕事の約30年間の半分近くを大学関係で働いてきました。
その中でどのような取り組みをしてきたかを振り返ってみたいと思います。

 

1.オリジナルテキストの作成と活用
100人を超える学生に対する資料を印刷し配布することは、学生にとって時間がたって見返すことが少なく、最悪の場合、紛失してしまう可能性すらあります。もちろん、毎回印刷をし配布することも結構大変な手間と時間を要します。そこで、テキストを発刊することにしました。
テキストは毎年、改定を実施し、原稿内容を常に新しいものに差し替えてきました。2016年度版は総242ページでこれ以外に提出用のシートを別冊としてあわせ活用してきました。

そして、単なるテキストなら読んでおしまいでは、彼らの記憶に残りにくいと考えました。
だから、学生自身がテキストの中に書き込めるワークブック形式を採用しました。
また、恩師である羽石寛寿名誉教授が長年研究されてきた企業の従業員のモチベーションや組織風土などを調査する調査票を学生バージョンに修正し、また、新たに独自の調査票をセルフチェックできるように改良しました。

 

2.学生の調査結果データの分析と活用
大学で約3000人を超える学生のデータを集積、分析し学会などに投稿してきました。そして、キャリア教育の課題とこれからの施策や方向性を提案してきました。
これらの経験がデータから個人を支援するノウハウと経験値となったと考えています。

 

3.キャリアカウンセラーとしての立場
授業としての取りみの他に、ゼミ生を担当するようになり学生個人と面談などを行うに場面も多くなってきました。
前述の調査結果をもとに気持ちのあり様や行動の癖などを踏まえ、話しを聴くようにしてきました。
しかし、それだけでは十分なスキルとはいえないと感じ、常勤講師の時代に産業カウンセラーと国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を取得しました。

これらの実績を踏まえ、中小の企業の採用の効率的な支援プログラムや従業員の適材適所化のコンサルタント
さらには、今までやってきた若年者(学生含む)向けの就職活動を含めたキャリア形成支援も積極的に行っていきたいと考えています。

これからの新たな出会いが楽しみです。

 

f:id:careeranalyzinglaboratory:20170609155749j:plain