履歴書で気になること

学生たち若い人たちとの面談でよくあるのが「履歴書を書いたんだけろ見てください。」というものです。案外見落としたり、間違ったりして書いていたりすることがありました。

ときどき書き忘れる言葉に、履歴書の最後に書く「以上」というものがあります。

ビジネス文書では、定番の締めの言葉ですが、社会経験の浅い彼らにとっては気づきにくいところです。

 

人事の担当者がそのような履歴書を見たらどう思うでしょうか。

あまり注意深く考えたり見直したりをしない人なのか…

あるいは、物事の最後のけじめをつけるのが苦手なのかとか…

思ったりするかもしれません。

 

やはり第三者からの視点や経験ある人からのアドバイスは、どんな時でも重要なポイントといえるでしょう。

そんな、何気ないことからカウンセリングが始まるのかもしれません。

 

昨年10月から新しい出会いを求めて活動し始めました。

今まで、約20年間大学での就職支援やキャリア支援を行ってきましたが、昨年の10月以降大学での仕事に一応ピリオドを打ちました。

学生以外の社会人を対象としたキャリア支援の可能性とネットワークの構築を求め新たな活動に乗り出しました。

 

厚生労働省の外郭団体である通称「ポリテクセンター兵庫」で昨年4月から「働き方改革」の一環として新しく立ち上がった「生産性向上支援センター」という部署で中小企業の訓練支援の相談員を始めました。

 

なにせ、何もかもが初めてのことでもあり、スタッフやノウハウも手作りで行ってきました。ようやく半年が過ぎ落ち着き始めたところです。

 

これからは、当研究所で行えるビジネスの幅を広めるためのネットワークづくりに役立てはと考え、アンテナを張って情報収集にも積極的に取り組んでいます。

 

7月から新しく教える仕事を頂きました。

 

キャリアコンサルタントつながりの友人の紹介で7月の初めから、新しく教える仕事を始めました。


これはハローワークからの委託の教育訓練講座です。私の担当するのは「就職支援」の科目。月に二回程度で朝から1日仕事です。

 

今まで約15年間、自分の作った教材レジメ等からテキストを作成し使用してきました。
今回は指定のテキストで教えると言う流れになっています。これがなかなかの刺激的な勉強の機会になっています。テキストを読みながら今まで自分がやってきた事と照らし合わせ、こういう風な見方もあるんだとか、ここはこういう風な表現で伝えたほうがもっとわかりやすいとか、色々と考えることがたくさんあり大変ではありますが、自分の考えを整理する大変貴重な機会になっています。


それと今まで15年以上PowerPointを使って講義や研修をしてきましたが、今回はホワイトボード環境です。これもなかなか新鮮ではありますが、時間配分や前で板書するタイミングなど難しいところもあります。でも、何とか分かりやすく伝えるために工夫をしていこうと考えています。

 

こんなことを考えながらやる機会をいただいたことを感謝しています。

 

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※キャリアカウンセリングや中小の企業のスタッフの適材適所化のための意識・行動特性調査、コンサルタントなどもやっています。興味をお持ちの方は以下のURLにアクセスしてみてください。
http://c-a-lab.com/

人間の欲求の諸説

人間の力について定番といえる学説が、マズロー(Abraham Maslow)の「欲求の5段階の欲求説」が有名です。

欲求の概念は、「本能、動因、刺激、欲望、または願望」というようにいろいろ呼ばれています。行動科学では、人間は欲求(needs)を満たそうとして行動を起こすと考えられるため、欲求は行動の源泉といえます。

マズロー理論の特徴は、人間には基本的欲求(basic needs)が5つあり、しかもこれらの欲求は次第に高次元に至るという欲求の階層理論(Theory of the Hierarchy of Needs)を提示していることです。

 

5つの欲求は次の通りです。
1 生理的欲求(経済的欲求
人間が生きていくために最低限必要な衣食住への欲求です。また同時に人間にとって最も基本的かつ重要な欲求です。現代社会においては、賃金(給与)がそれらを満足させる手段になっています。
2 安全の欲求
危険や脅迫から身を守ろうとする欲求です。つまり、人間の存続にかかわるような有害な状況を避けようとする欲求です。現代社会においは、職場の安全、福利厚生(社員が働くことよって得られる給与以外の援助・サービス)、職務の安全などへの欲求です。
3 社会的欲求(帰属の欲求
家族、友人、隣人、同僚などの集団に帰属したいという欲求です。人間は社会的動物といわれ、自己の成長や幸福を多くの人間関係に依存しています。そのため、人間関係を作り愛情や友情を交換したいという親和欲求や帰属の欲求などの社会的欲求を持っています。
4 地位の欲求(承認・自我の欲求
地位や自然に人を服従させる威厳などを得たいという欲求です。地位は権限や影響力の行使という特権を持つ社会的階層であり、それを得たいということは自己の権力が認められるとか、尊敬や信望を得たいという欲求であり、自我の欲求ともいえます。
5 自己実現欲求
人間が持つ最高次元の欲求であり、自己成長や発達の機会を求める欲求といえます。目標達成、自己の能力の最大発揮などを通じて、自己表現や自己実現を果たしたい、自己完成をしたいという欲求です。

 

最近、新しくこのマズローの考えを基礎に出てきた学説があります。
アンダーファ(Clayton Paul Alderfer)の「ERG理論」というものです。
マズローの5段階の欲求説を修正・整理して、人間の欲求を、生存(existence)欲求、関係(relatedness)欲求、成長(growth)欲求の3つに集約した理論。ERGとは3つの欲求の頭文字を取った。

1. 生存欲求(E:existence):
物質的・生理的な欲求をすべて含み、飢え、賃金、労働条件などすべてに対する欲求
2. 関係欲求(R:relatedness):
自分に重要な人々(家族・友人・上司・部下・敵など)との関係を良好に保ちたいという欲求
3. 成長欲求(G:growth):
自分の環境に創造的・生産的な影響を与えようとする欲求で、これが充足されれば、人間としての充実感が得られるとされる。

マズロー欲求5段階説と違う点
1. 3つの欲求区分はマズローの5段階のように重なり合わない。
2. 低次の欲求が満たされなければ高次の欲求が起こらないとは考えない(併存も可能)。
3. 高次の欲求が満たされないと、低次の欲求に退行するとされる。

 

いずれにしても人間は、自分の夢や目標を設定し「自己実現」をしようとする動物だと言われています。
その内容は人それぞれですが、自己実現することで社会に貢献できればこれほど素晴らしい事はないと考えます。
ましてや、自分が所属する組織のベクトルと自己実現が一致していれば、素晴らしいと思います。
これは個人だけでなく組織にとっても同じだと考えます。そのような人材の育成ができればと考えています。

「G→D→P→A→Ch」回路人材の育成を目指します

私の考えている人を育てるための考え方は、行動意識回路と行動パターンを持った課題設定解決型人材育成を目指します。

文末の図のような意識と行動パターンを理想としています。

 


それを実現するために以下のような流れが必要だと考えています。

「G」
ゴールイメージを示しています。行動を起こす場合には「ゴールイメージ」をできるだけ持って進むこと。

「D」
通常は、「PDCA」サイクルといわれていますが、私はまずは、行動を起こすことが大切だと思い「D」を「G」の次に持ってきました。

「P」

実際にやり始めてから本気になって計画を立てるという意味での「P(plan)」です。


「A」
「D」よりも本気で行動するアクションの「A(action)」。

「Ch」
「チェック」Checkの略。行動結果のチェックを行い、目標が達成されれば「Goal」で完結するが、さらに、リファインが必要なら次なる「G」に向かってスパイラルアップする。

 

「Co」

「自信」Confidenceの略。人間は、行動を起す場合、何らかの自信を持っていることが必要です。

究極の自信は「根拠のない自信」だと考えます。
これは、今までの仕事の中でとことん働いて、こんな辛い事は多分少ないであろうと言う気持ちが、これから起こるどんな仕事でもやっていけると理由のはっきりしない変な自信のことです。

そこまではできないとしても、自分が置かれている環境の中で例えば、仕事の現場で多くの小さな成功体験を積み上げていくことが重要だと考えます。その積み重ねた経験が次第に「根拠のない自信」へと繋がっていくと思っています。


「M」

「動機づけ」Motivationの略。「Co」があり「G」が持てれば「M」が高まることで「D」へと進むという流れ。

 

人を育てることの原点は、受講者に課題に気づかせ、自ら解決に向かうためのいろいろな材料を提供することだと考えます。例えば、成果物の到達点を示す/知識・技術の教授/ワーク(演習)/ロールプレイング/コンセンサストレーニングなどがあげられます。

 

また、講師の求められる能力は、受講者との人間関係構築のための専門知識とコミュニケーション力、気配り、ほめ育て、認めることだと考えます。

この「認める」ということは、相手の価値観を認めた上で人生の先輩として社会で認められることとそうでないことを明確に示すことだと考えます。

 

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百歳になっても脳は成長し続ける

前回のブログで「キャリアってどんな意味?」の最後に、「キャリアを広義の意味で捉え実現していくためには、人は生きている限り年齢や経験に応じて学び続けていくべきだと考えています。」と締めくくったところで、以前に読んだ本のことを思い出しました。

 

TVでもおなじみの脳科学茂木健一郎さんが書いた「感動する脳」の中に「百歳になっても脳は成長し続ける」という一節がありました。非常に興味深い内容だったので、ここで紹介させていただきます。少し長文になりますが最後までお付き合いください。

 

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人はそれぞれが遺伝子(DNA)を持って生まれてきます。DNAというのはまさに人間の設計図のようなものであり、それに沿ったかたちで人は成長していくわけです。そこで多くの人は勘違いをしています。設計図には完成品が描かれているのだと。

自分には自分のDNAがすでにあるのだから、それに逆らっても仕方がない。いくらあがいたところで自分のDNAは変えられるものではないと。そんなふうに思い込んでいませんか。もしそう考えているとしたら、それは大きな間違いです。DNAには、完成品など書き込まれていません。

 

 実際に人間の脳というのは、生きている限り自発的に活動し続けます。そしてそれに伴って、神経細胞の結びつきというものも変化している。中高年になってから活動しなくなるというのは間違いです。よく「もう歳だから、若い頃のように頭が働かないよ」とか「脳細胞がどんどん消滅していくのだから、今から新しいことを始めるのはムリだよ」と言う人がいるでしょう。それは単に自分が努力をしていないだけ。生きる意欲がなくなってきているだけなのです。

 

我々は専門用語で「オープン・エンド」(open-ended)と言いますが、脳はいつまで経っても完成を迎えることのない、まさに青天井の構造をしているのです。なのに自分は天井を勝手に決めてしまうのは勿体ないことです。

 

 人間の寿命はせいぜい百年くらいのものです。どんな頑強な人間でも、百年もすれば死んでしまいます。ならば百歳で死を迎える時に脳は完成してるのかと言うと、実はまだまだ発展途上に過ぎない。もしも人間が二百年も三百年も生きられたとしたなら、脳は三百年間も変化し続けることになります。

 

 つまり人生というのは、実は永遠に完成することのない、終着点のない旅だとも言えるでしょう。生きている限りにおいて、脳は何百年間でも変化し続けている。従って人間の脳というのは、非常に残念なことに、どこまで行けるかというその限界を見ないうちに寿命を迎えてしまう運命にあるのです。

 

―――中略―――

 

 六十歳になり定年を迎えた人たちの多くは、「もう後は静かに送るだけだ」「この年からは何も新しいことは始められない」と考えています。ちょっと待ってください。あなたは定年になったかもしれませんが、あなたの脳は定年などなっていません。第一、脳に余生などという言葉はない。生きている限り変化しているのですから、脳は余生を楽しんでいる暇などないのです。
 
もしもあなたが年を取ったからと家に引きもこっていたなら、脳を使うことなく無為な日々を送っていたとしたなら、それはとんでもなく勿体ないことなのです。せっかくの限界のない脳を与えられているのですから、大いに働かせないと損だと思いませんか。

 

 年老いたから脳が働かないなどというのはウソです。年をとったからこそ活動を始める部分も必ずあります。死を迎える直前まで脳を目一杯使ってみる。何と幸福なことだろうと私は思うのです。

 

引用:「感動する脳」茂木健一郎
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どうですか?
人間の脳ってすごいですね。
歳を重ねても、常に前向きでありたい、キャリアアップしていきたいと改めて思った次第です。

「モチベーション」とは

モチベーションとは、一般的に「やる気」という意味でつかわれますが、本来は、人間の持つ欲求や動機を行動に結びつけるための「動機付け」を意味します。
つまり、モチベーションは、欲求と行動の中間概念であり、欲求を喚起し行動にいたらせる「引きがね」の役割をしています。

モチベーションは、動因(個人の能力や性格)と誘因(環境から与えられる刺激など)の関係で決まります。つまり、前者は、その時々の状況において満足する結果が得られるかどうかの「期待(見込み、主観的確率)」です。後者は、満足した過去の経験累積によって培われた主観的な「価値」です。
モチベーションは、期待と価値の関係によって決まるのです。人間は、価値あることに期待が持てれば「動機付く」のです(「人と組織のマネジメント」羽石寛寿 著)。それを示したのが以下の図です。

人間は、行動を起こすためには、過去の経験値にもとづく価値観とうまくいくだろうといった「期待感」があってはじめて行動に移すことができるということです。

部下に仕事を依頼するにしても、やはりいろいろな小さな成功体験を積ませ、今までにやったことがないことでもできるであろうという「根拠のない期待感や自信」を持てるように支援することが、今の若者を育てていくためには必要なのではないでしょうか。

 

 

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